頸椎ヘルニアの原因と対策
2019年05月9日
頸椎ヘルニアに悩む方は、多いです。
お薬だけではなかなか改善しないこの症状。改善させるのは実は難しくはないのです。そのために必要なことも含めて、ちょっと書いてみました。
頸椎ヘルニアとは
頸椎(椎間板)ヘルニアは首で起こるヘルニアの事です。
30~50代の男性に多い症状です。痛みやしびれは首だけでなく、腕にまで出てくることが多いです。炎症が強いと、どんな格好でも痛いです。だから寝るのにも苦労します。
首の骨は7つあり、その間には椎間板というクッションが存在します。この椎間板が何らかの原因でつぶれ、飛び出した状態が頸椎ヘルニアです。
飛び出した椎間板が神経を圧迫すると、神経の症状が強く出ます。
頸椎ヘルニの改善は、手術しかないのでしょうか?
そんなことはありません。
ほとんどの場合、手術しなくても改善してしまうものです。
原因
ハッキリとした原因はわかっていません。
一般的には
- 椎間板の加齢による変性によって飛び出すこと
- 猫背などの姿勢の悪さ
- スポーツによる外傷
等が誘因と言われております。
この中でも「加齢+姿勢の悪さ」によるものが多いと言われてるんですね。
不良姿勢が続くことで、椎間板への負担が大きくなります。そうすると椎間板は後方に飛びだすんですね。すると飛び出た椎間板により
- 炎症が起きる
- 神経が圧迫される
などが起き、症状が出てくるのです。
症状の直接の原因は頸椎の椎間板ですが、椎間板が飛び出る原因は、猫背などの姿勢の悪さなんですね。
姿勢が悪いことにより「頸椎にかかる負担の方が回復力よりも大きい」ので、ヘルニアになってしまったのです。
症状
頸椎ヘルニアの程度や神経の圧迫している所(高さ)により、いろんな症状が出てきます。
主な症状は以下の症状になります。
- 痛みやダルさ
- シビレ
- 力が入らない
それぞれの症状についてみてみましょう。
1.痛みやダルさ
首や肩、腕にかけて出ることが多いです。場合によっては背中や胸にも症状が出ます。
症状の原因は神経の圧迫だけでなく、
- 頸椎ヘルニア周囲の炎症
- 関節への負担
- 周囲の組織のこわばり
によっても出るのです。
2.シビレ
4番目以下の神経が椎間板に圧迫されると肩~腕にかけて出ることが多いです。知覚神経の圧迫により起こります。
症状の原因は椎間板によるの圧迫だけでなく、
- 炎症による組織の腫れでの一時的な神経圧迫
- 神経への栄養血管の圧迫
- 筋肉や軟部組織のこわばり
- こわばりによる血液循環の悪化
によっても出るのです。
3.力が入らない
運動神経が圧迫されて起こる症状です。
症状の原因は椎間板によるの圧迫だけでなく、
- 炎症による組織の腫れでの一時的な神経圧迫
- 神経への栄養血管の圧迫
によっても出るんですね。
末梢神経が圧迫されると、首や肩から腕に症状が出ます。
中枢の脊髄が圧迫されると、下半身の力が入りにくかったり、尿の障害が起こることもあります。
改善のために
ここからは頸椎ヘルニアの改善のために必要なことを、特に手術しないで改善させるために大事なことを書いてみます。
当院での考え方になりますので、参考程度に読んでください。
一般的な方法
一般的には「保存療法」と「手術療法」があります。
よほど強い症状がない限りは、まずは保存療法で様子を見るのが一般的です。
ここでは保存療法について記載します。
保存療法の基本は以下の2つです。
- 首にかかる負担を減らすこと
- 血液循環を良くして回復を早めること
この2つを取り組むことで多くの頸椎椎間板ヘルニアは改善していきます。
1.首にかかる負担を減らすこと
首にかかる負担を減らすことです。
一般的には頸椎カラー(首のコルセット)を進められる場合が多いです。
でもこれだけでは不十分なんですね。
姿勢の改善も頸への負担の改善だからです。
姿勢の影響を考えると、症状が悪化する姿勢は、以下の姿勢なんですね。
- 上を向いた時
- 痛みやしびれが出ているほうに首を傾ける
普段からこの頸に負担がかかる姿勢になっている、としたらどうでしょう。悪化しても仕方ないですよね?
でも「普段上を向くようなことはやっていない」という方も多いでしょう。
でも背中が丸くなって(猫背の姿勢で)前を向いている姿勢になってみてください。
そのまま首は動かさず背中だけ伸ばすと、顔は上を向いてないですか?これは上を向く姿勢なで負担がかかる姿勢なんですね。
つまり姿勢の悪さ(猫背)が首に負担がかかる原因になっているのです。
首に負担をかけないようにするには、姿勢の改善が重要なんですね。
2.血液循環を良くして回復力を高めること
症状の改善を早めるには、傷んだ組織の修復が早める工夫が必要です。
頸椎ヘルニアのほとんどはヘルニアによる神経圧迫ではなく、その周囲の軟部組織の炎症や損傷により神経が圧迫されていることが多いのです。
だから
- 傷んだところに負担がかからないようにする
- 血液循環を良くして傷んだところに栄養や酸素を送り込む
ことにより、早く修復できる状態を作ることが大事なんです。
ただ注意があります。血液循環を良くする際は、傷んだところを動かしすぎるとさらに傷めてしまう、ということです。
局所(首~肩)だけ動かすだけでは循環はそんなに改善しません。それよりも全身の循環を良くするほうが良いのです。また胃腸や肺の血液循環がよくなることも、栄養や酸素をより多く取り込むことが出来るので、重要なポイントになってきます。
首には負担をかけずに全身の血液循環を良くすることが頸椎ヘルニア改善への早道になるのです。
最後に
頸椎ヘルニアはほとんどの場合、手術しないでも改善出来るのです。
ただそのためには生活主観を見直すことが必要なんですね。今までの生活習慣だったから頸椎ヘルニアになってしまったんです。
ココを見直すことが大事なんです。手術以外で改善させるには絶対に必要なんですね。その中でも姿勢はすごく大事なポイント。
まずはちょっとでもいいので、やり始めてみませんか?