子宮内膜症に悩むあなたへ
2019年05月24日
「強い生理痛に悩み、ひどい時は寝込んでしまう事も多い…」
そんなときに考えられるのが子宮内膜症なんですね。
ところで子宮内膜症って、どんな病気なんでしょう?
当院での子宮内膜症に対する考え方と、臨床的に感じることを中心に書いてみました。
子宮内膜症とは
子宮内膜症とは本来、子宮内腔にしか存在しない子宮内膜や子宮内膜様の組織が、子宮以外の場所に出来る病気のことです。
子宮以外の場所に出来た子宮内膜も、本来の子宮の周期と同じような変化が起こります。
つまり月経期になると、子宮以外の場所にできた子宮内膜も剥離・出血するんですね。でもこの血液や内膜は体外に出すことが難しく、体内に溜まりやすいのです。
それでも身体の代謝が盛んであれば、キチンと分解して排泄されるのですが…。
排泄されないからチョコレート嚢胞が出来たり、他の臓器との癒着が起こるのです。
症状
主な症状は、疼痛と不妊傾向です。
最近の全国調査によると、日本では子宮内膜症に悩む女性の約90%が月経困難症(げっけいこんなんしょう)を訴えております。また月経時以外の下腹部痛は約50%、性交時痛・排便痛は約30%にみられます。
病気の進行度と疼痛の程度とは、一般的には関連は少ないとされています。つまり軽くても痛い人は痛いのです。
また子宮内膜症は、卵管周囲の癒着によって
- 卵子の捕獲や
- 卵子の輸送
が損なわれれば不妊の原因になり得ます。
まれに、性器外の胸膜・肺、腸管、尿路などに発生し、月経時に気胸・血痰(けったん)、下血、血尿などの症状が現れたり悪化することがあります。
一般に、子宮内膜症は徐々に進行するとされていますが、長年にわたって変化しない場合もあります。また、妊娠・分娩を契機に治ることもあります。
閉経後は卵巣機能がなくなり低エストロゲン状態になるので、病巣は自然に萎縮し、症状もなくなります。
原因(一般的)
生殖年齢の女性のおよそ10%に子宮内膜症があると考えられています。妊娠したことのない女性に多いことも知られています。
原因は不明ですが、月経時に剥がれ落ちた子宮内膜の一部が、卵管を逆走して卵巣や腹部臓器に達して増殖するという説が最も有力視されています。
その他に生まれつきという説もあります。
当院の考え
あくまでも仮説になりますが、当院ではこんな可能性も考えて施術に取り組んでおります。
<環境ホルモンの問題>
添加物や残留農薬の影響による環境ホルモンの大量摂取によりホルモンバランスが乱れる。環境ホルモンは女性ホルモンと似ているので、結果的にはホルモン過剰になってしまう。
<排泄障害の問題>
生理は子宮のデトックスで、使われなかった子宮内膜を排泄します。
排泄には酵素やミネラルが使われるので、これらの摂取不足は排泄障害につながります。
また便秘があるとこうなります。本来便から出せなかった身体の毒素を、子宮からも出そうするのです。このときにの毒素から生殖器を守るために、内膜をたくさん作って身体に入らないように保護します。
<不妊予防>
妊娠できない状態に体が近づくと、少しでも妊娠の確立を上げるために子宮内膜を増殖させようとする。それが子宮以外の組織にまで、あやまって広がってしまった。
解決するには
排泄とホルモンのコントロールが重要になります。
そのために大事なのが
- 身体を健康になること
- 食事などの生活習慣の見直し
になります。
健康になること
健康になるには身体の状態をよくすること。
そのためには運動や睡眠のほかに、考え方や環境も見直す必要があるのです。
基本は自律神経を整えるのと変わりはありません。そのほかに婦人科的な疾患に対しては、股関節と足首の動きが大事になってくるのです。
考え方とは、物事に対してのとらえ方のことなんです。同じ物事に対しても捉え方が変わると、ストレスに感じるようになります。捉え方は訓練です。それさえ積めば変わっていきますよ。
環境とは周囲の状況のことです。場所の問題と人の問題があります。それらを変えることで、身体は変わっていくんですね。
食生活の問題
環境ホルモンの影響も大きいので、食生活のコントロールも大事になってきます。
食事の基本はこのようになります。
- 悪いものを食べない
- 良いものを食べる
- 食べる量に気をつける
- よく噛んで食べる
身体に良くないものとしては、コンビニのパンやおにぎりなどは添加物や質の悪い油(オメガ6、トランス脂肪酸)が多いので出来れば減らしましょう。
また身体に良いものとしては、以下のようになります。
- 塩、みそ、しょうゆなどの調味料も材質に気を付けましょう。
- 発酵食品や海藻、野菜をとり酵素やミネラルの補給を意識しましょう。
- オメガ3の身体にいい油でホルモンや細胞膜を改善させましょう。
細かく上げればきりがないですね。まずは
- 小食でよく噛むこと
- みそ、しお、醤油の調味料に注意する。
だけでも効果は出てきます。
最後に
ここまでいろいろ書いてきました。
たくさん書いたので、ちょっと分かりにくいかもしれませんね。
要はこれです。健康であること。
健康であれば子宮内膜症だけでなく、いろんな症状が改善していくのです。
そのための基準はいろいろありますが、
- 腰痛や肩こりがない
- 毎日お通じがある
- 冷え性でない
- 朝すっきり起きられる
- ストレスに苦しんでない
が整ってれば健康といって構わないでしょう。
そこを目指していけば、子宮内膜症もよくなっていきますよ。