不妊と不眠の関係性
2019年08月17日
不眠と不妊の関係性、あなたはご存知ですか?
実はとても関係が深いんですよ。
睡眠時には身体の代謝と修復に関する成長ホルモンが分泌されます。
特に睡眠が深い時(ノンレム睡眠時)に分泌されるのですが、このホルモンが妊娠に関係するホルモン(性腺刺激ホルモン:FSH、LH)の分泌に関与していると言われています。
このこと以外にも妊娠への影響があるのですが、まずは不眠とはどんな状態かを知ると不妊との関係がもっと見えてきます。
不眠とは
一般的に不眠とは以下のような状態をさします。
- なかなか寝付けない
- 夜中に何度も目が覚める
- 目が覚めると寝付けない
- 睡眠時間はしっかり寝ているが熟睡感がなく、身体は疲れている状態
上記の4つは不眠症の典型的な症状の出方です。
不眠症の原因とは
不眠症の原因となるのは人それぞれいろんな原因があります。
- 心理的原因
- 身体的原因
- 精神医学的原因
- 薬理学的原因
- 生理学的原因
大きく分けると上記の5つになります。それぞれ簡単に解説していきますね。
1.心理的原因
何らかのストレスがきっかけになります。それは家庭の問題であったり、仕事上の問題であったり、対人関係であったりといろいろなストレスで起こりえます。
2.身体的原因
身体の不調や病気で起こります。
- 痛み:ケガや関節リウマチなど痛みを伴う症状
- 痒み:アトピーや蕁麻疹などかゆみを伴う症状
- 苦しみ:花粉症や気管支喘息、頻尿など日常生活(特に睡眠)を阻害される症状
以上のようなものが代表的な物になります。
3.精神医学的原因
精神的や神経の症状は不眠になることが多いです。その中でも抑うつや不安神経症は不眠になるケースが非常に多いです。
過去のトラウマや思考の癖だけでなく、体力の低下・栄養不足などでも起こります。
4.薬理学的原因
服用している薬やアルコール・カフェイン・ニコチンなど原因の不眠があります。
強い薬だけでなく長期に服用している薬も交感神経を高ぶらせるので不眠になる場合も多いです。
アルコールやカフェイン・ニコチンは適量ならばいいのですが、多くなりすぎると不眠の原因になってしまいます。
5.生理学的原因
睡眠を妨げる環境にいる場合に起こります。例えば受験勉強やゲームなどで夜遅くまで起きている生活になったり、勤務シフトで日勤夜勤のシフトがあったり、海外旅行などで時差ボケになったりする場合です。
以上のように不眠になる原因にはいろんなものがあります。
ところで不眠によってどんな問題が身体に起こるのでしょうか?
不眠の身体への影響
不眠の影響で以下の問題が身体に現れてきます。
- 疲労の蓄積
- 交感神経の過緊張
- 内臓機能の低下
3つとも不妊の改善にとって大きな問題となってきます。
1.疲労の蓄積
疲労の蓄積は前回でもお伝えしましたが、体力的な問題とホルモンバランスの問題、自律神経の乱れが大きいです。
疲労が大きいと身体は自分を守るので精一杯になってしまいます。そのままの身体の状態では妊娠できる余力がなくなるので、妊娠しない身体になっていきます。
2.交感神経の過緊張
交感神経の過緊張は内臓の機能を低下させます。
循環は血管が収縮するので、おなかや手足には流れにくくなります。呼吸は浅く早くなり、上半身に力が入ってきます。身体全体には肩が凝りやすく、手足やお腹が冷えてしまいます。
これでは妊娠にとってはマイナス要因が多い健康状態なんですね。
3.内臓機能の低下
消化吸収、排泄、免疫、生殖などの機能が低下します。このような状態が続くと体力の低下を招きますし、妊娠からはどんどん遠ざかってしまいます。
どうすればいいのか
一言でいえば、不眠症を改善すればいいのです。ですが人により原因はさまざまになります。
改善するためには2つの要素の改善を行うと、速やかに改善していきます。
- 身体の健康状態を高める
- 原因になっていることに対処する
これを基準に自分で出来るものがあるかを考えていきます。
具体的にはどうする?
基本的な考え方としては次の3つになります。
- 食生活
- 運動
- その他
これら3つをそれぞれ考えてみます。
1.食生活
食生活の基本は”食べた方がいいもの”を摂り”避けた方がいいもの”を摂らないという事です。
不眠の改善に関連するホルモンとしてセロトニンやメラトニンといったホルモンがあります。
これらはアミノ酸から作られるホルモンになります。
なのでこの材料となるのはタンパク質が大事になってきます。またタンパク質だけとればいいかというとそうではありません。タンパク質とビタミンB群、鉄分がないとこれらのホルモンは作られないからです。
糖分とくに白砂糖は注意が必要です。これらは身体にあるセロトニンを強制的に働かせてしまいます。体内のセロトニンの量が少なくても働かせてしまうので、セロトニン不足の状態になってしまうこともあります。
2.運動
運動の目的は”適度な疲労”と”カラダや頭にこもる深部熱の放散”による不眠症の改善になります。
適度に疲労すると身体は回復を促すために睡眠しやすくなります。
身体の状態が悪い程、体温は体幹や頭にこもってしまいます。そして手足は冷たい状態です。良質な睡眠になるには体温が下がる必要があるのですね。このとき身体の熱を放散するには、手足への血液循環が必要になるのです。
赤ちゃんとか小さい子供は、眠くなると手が暖かくなります。これは手から熱を放散するためでもあるんですね。
この体温をうまく下げられないと、眠れなくなっていきます。
とくに頭に熱がこもっていると、交感神経が緊張するので不眠になりやすいです。パソコンやスマホの画面から受ける影響で、現代人は脳に熱がこもりやすくなってる人が多いです。
だから体温を下げるために血液循環の改善は大事なんですね。
血液循環を改善させる方法は
- 動かしたり緩ますこと
- 冷えている所を温めること
で改善が見られます。
具体的には以下のようなものがあります。
- 適度な運動をする:身体を動かすことで血液の流れが良くなる事と、適度な疲労で入眠しやすい身体になります。
- 腹式呼吸:副交感神経が高まることで血管が緩み流れやすくなる事と、おなかの動きで内臓の血液が押し流され血液循環が良くなる事ることです。
- ストレッチ:身体の筋肉や関節を緩めることで、血液の流れを良くします。
- 頭寒足熱:頭を冷やし足を温める(頭を冷やすことで睡眠の質が上がることは科学的に証明されています)
出来るところから取り組んでみるといいですね。
3.その他
身体がリラックスできると副交感神経がたかまります。この状態になると睡眠に入りやすく身体がなります。
リラックス方法は人により異なりますが、例えば
- アロマ
- 音楽
- 入浴
などです。
また、
- 眠くなるまで布団に入らない
- 眠れないときにすることを決める
ことで不眠に対するストレスが軽減されるので、試してみる価値はあると思います。
日常生活での注意としては、
- 入眠1時間前はスマホやパソコンを見ない
- タバコ、お酒、カフェインを摂り過ぎない
といったことに気を付ける事で、入眠の妨げになる影響を防ぐことも大事になります。
またどうしても眠れないことが辛い場合は、薬で対処する方法が有効です。ですが、あくまで一時的な対応です。身体が健康になっていくと、薬に頼らず寝れるようになっていきますよ。
まとめ
不眠症は妊娠できない人には改善させる必要が高い症状です。
不眠症は改善できます。そして不眠症の改善が不妊の改善にすごく有効になってくるのです。なぜなら改善方法は同じだからです。
ぜひ不眠症を改善し不妊症も改善していきましょう!
自分一人で出来ない方、どうやればいいか分からない方は当院までお尋ねください。
一緒に取り組んで改善していきましょう!