痛みだけをとってはいけないんです!
2019年05月28日
「痛みだけを取ってはいけない」
って知ってました?
皆さん、何でか分かりますか?
実は痛みだけとってしまうと、症状の改善が悪くなってしまうんですね。
「…何で?」となることでしょう。
この理由は「何で痛みが出るのか」が分かると理解できると思います。
なんで痛みが出るのか考えたことありますか?
当院での患者さんとの会話の一例です。
<当院>なぜ、痛みが出ると思いますか?
<患者さん>「コリや炎症がでるから」
<当院>それではなぜコリや炎症が出るのですか?
<患者さん>「硬いから(筋肉、関節)」
<当院>なんで硬いんですか?
<患者さん>「姿勢が悪いから」
「無理な恰好で使っているから」
「弱いから(筋力不足)」
「血液の流れが悪いから」
というのが当院の患者さんの意見で多いんです。
さらに聞いていくと…
そこでさらに当院では患者さんにお尋ねします。
薬やマッサージ・電気療法などで一時的に痛みを押えても、身体が
- 「姿勢が悪いから」
- 「無理な恰好で使っているから」
- 「弱いから(筋力不足)」
- 「血液の流れが悪いから」
のままで使っていると、どうなると思いますか?
ほとんどの患者さんは
「また痛くなる」
と答えます。
つまり
- 姿勢が悪いから
- 無理な恰好で使っているから
- 弱いから(筋力不足)
- 血液の流れが悪いから
などの生活習慣のクセを改善しないと、一時的に良くなってもまた痛くなるのは解ってるのですね。
でも痛みがあると「この痛みを何とかしたい」と思ってしまう。
これは仕方のない事なんですけどね。
だからなかなか改善していかないのです。
炎症や痛みは悪者ではない!
痛みや炎症があると、一般的には悪者扱いされてしまいますね。
だから「早くとりたい!」となるでしょう
でも本当に悪いもの?
悪いものだったら何で起きてしまうのでしょうか?
炎症はなぜ起きる
組織を痛めたり負担がかかったりすると、炎症は起きてきます。
この炎症、実は意味があるんですね。
それを考えてみましょう。
炎症は炎症を起こす物質によって起きてきます。
それはプロスタグランジンやアセチルコリンなどです。これらには血管拡張作用があるんですね。
組織が修復するには、豊富な栄養や酸素が必要です。これを使って細胞は修復されていくからです。それらは血液によって運ばれるから、血液循環が豊富な方が良いんですね。
ですが硬い組織は血液循環が悪いですね。でも修復するためには、たくさんの血液が必要。だから炎症を起こして豊富な血液を集めるんですね。その方が回復は早いから。
後は患部を休めれば、早い修復が期待できます。
なので修復を速やかにするといった面では、炎症は味方なのです。
痛み止め(消炎鎮痛剤)は何をしている?
ところで痛み止めは何をしているのでしょうか?
それは炎症を抑えることで、痛みを改善してるのです。血管が腫れて膨張するから痛みが出るのです。だから血管を縮め血液循環を低下させて、痛まなくしているんですね。
当然痛みは感じにくくなりますが、血液循環が悪くなるので組織の修復は遅れます。
修復しないまま無理をすると、またすぐに炎症が出てきます。身体は早く修復させたいからなんですね。
そしてまた薬を使う、という繰り返し。
これを繰り返していると、組織は変性を起こします。腰でいえばヘルニアや骨の変形なども、椎間板や腰椎が変性した結果なんですね。
実は交感神経も緊張する!
さらに消炎鎮痛剤は交感神経を緊張させます。緊張するから血管が縮むのです。
免疫で言えば白血球の顆粒球が働く状態。これが働くときは活性酸素をたくさんだし、それによって組織を痛めてしまうのです。
そして炎症を起こした部分だけでなく、他の組織にも影響を与えてしまうんです。
分かりやすいのは胃ですね。
胸やけがしたり痛んだり…、そんな経験ある人も多いのではないでしょうか?
胃の粘膜への血液循環が悪くなるのと、顆粒球により胃の粘膜が傷つくからなんですね。そして胃が荒れているということは、その他の消化器官も荒れてくるのです。
また血管が縮むので、末梢への血液循環が少なくなります。冷え性の原因にをもつながります。また血圧も上がりやすいです。狭くなった血管の状態でも全身に血液を送らなければ身体が危険になってしまうからです。
身体を修復するのは副交感神経の働き
副交感神経が十分働くことが、身体の回復には必要なのです。
根本的に良くするには、消炎鎮痛剤で痛みをごまかさないこと。これを続けているから逆に回復が遅くなるんですね。
ただ痛みがあまりに強いときは、薬を使うことも必要になります。
要は使いようなんですね。
ここで言いたいことは、これです。
早く良くしたいのなら、薬に頼るのは止めましょう。
痛みの発生機序
痛みはどのように出てくるのでしょうか。
- 姿勢が悪い
- 無理な恰好で使っている
長い事このままだと、身体はその格好で固まっていきます。
これが身体の歪みになるんですね。
歪んでしまうと、それが普通になります。
歪みとバランスが悪くなるので、筋肉や関節にかかる負担が大きくなります。
そして負担が大きさに耐えられなくなってくると痛みが出ます。
よく「弱いから痛くなった」と聞きますが、そうではありません。
痛みの場所とは「頑張り過ぎてもう無理」となったから、痛みが出るのです。
だから痛い場所をいくら鍛えてもダメなんです。そこにかかる負担が減るようにしないと、いつまでたっても改善していかないのです。
また歪みは筋肉・関節にかかる負担も大きくなるので、当然ですがは硬くなっていきますよね。そうなると血液循環も悪くなります。
痛みだけ取るとどうなるのか?
それでは原因が残ったまま痛みだけとると、身体はどうなるでしょうか?
原因が残ってると無理が効きません。だから同じ生活を続けていれば、また痛んできます。
痛みを何かで一時的に抑えてしまうと、脳が痛み感じなくなり身体を治そうとしなくなります。でも身体には症状を出す原因が残っている。
さらに痛みが感じにくくなるので、身体を休めなくなります。
その結果、体に無理をかけるので、痛みの原因が回復しにくくなるのです。
そして痛みだけ取るだけで体に無理を重ねていると、身体はどんどん壊れていく。それをかばうために、身体もどんどん歪んでこわばっていくんですね。
しまいには、こんなことにもなってしまいます。
- 薬が効かなくなる
- マッサージがどんどん強くなる
- 何をやっても変わらなくなる
これは身体の歪みやこわばりが、ひどくなりすぎた結果なんですね。だから何をやっても変わらないんです。
歪みが改善してくると、薬が効きやすくなったり、軽いマッサージでも効果が出たりします。
そもそもマッサージする必要もなくなってきますが。
なので大事なのは痛みを取ることよりも
痛みが自然に取れる状態の身体にすること
なんですね。
どうすればいいのか
原因を改善すること。これが症状改善の根本です。
そのためには症状の原因である
- 身体の歪み
- 経絡の乱れ
を改善し
- 痛い場所に負担がかからないようになる
- 血液循環が良くなる
- 修復のための材料や酸素が十分供給されている状態
に身体がなることが必要です。
痛い場所だけ見ていてはダメなんですね。
何で痛い場所が出来るのかを知り、それを改善させることが重要です。
改善さえ出来れば、症状は必ず変化します。
まとめ
痛みは安易にとってはいけない。その理由は回復が遅くなったり、より大きな症状に移行したりするからです。
痛みをとるだけでなく、身体の状態を整えること。これが重要なんですね。
痛み止めも使い続けると身体が改善しにくくなります。
- これは痛み止めが効かないぐらい、身体の状態が悪くなってしまった
- 痛み止めの服用で、交感神経が優位になり過ぎてしまった。
などといった状態なんですね。
だから薬に頼らずに回復できる身体を作ること。これが今だけでなく将来的にもとっても大事なことなんですね。