腰椎椎間板ヘルニアの症状について
2019年05月13日
腰椎椎間板ヘルニアに悩む方は多いですね。
「手術しないと良くならない」と言われ、悩んだり諦めたりする人も多いんですね。
でも実際のところどうなんでしょう?
実は、手術しないでも良くなるケースもとても多いんですね。それはいろんなデータでも証明されてます。
では、どうすれば良いのか?
その辺を踏まえ、腰椎椎間板ヘルニアについて書いてみます。
腰椎椎間板ヘルニアとは
腰椎椎間板ヘルニアとは、腰で起こる椎間板ヘルニアの事です。
後発年齢は20~40代で男性に多いのが特徴です。
腰の背骨は5つあり、その間には椎間板というクッションが存在します。この椎間板が何らかの原因でつぶれて飛び出した状態が腰椎椎間板ヘルニアです。
飛び出した椎間板が神経を圧迫すると、神経の症状が強く出ます。神経の圧迫部位により、
- 知覚神経を刺激すると痛みやしびれ
- 運動神経を刺激すると筋力低下
といったように症状が出てきます。
好発部位は下位腰椎に多いです。例えば腰椎の4番と5番の間(L5)、5番と仙骨の間(S1)で腰椎椎間板ヘルニアの約90%をしめます。
腰椎椎間板ヘルニアの改善には
- 保存療法
- 手術
があります。
そして多くの症状は手術しないで改善してしまうのです。それはヘルニアがあるから症状がある、という事ではないからなんですね。
最近の研究では
腰痛のない健康な人を対象とした研究結果があります。
それにはこんなことが書いてあるんですね。
- 85%の人に椎間板の変性がある
- そのうち76%の人に椎間板ヘルニアが存在する
これはどういうことか?
つまり椎間板ヘルニアがあるからといって、必ず痛みがあるわけではない、ということなんですね。こんな結果がデータでも報告されているんです。
また、こんな報告も政府の研究機関から出されています。
- 椎間板ヘルニアがある人の約80%は痛みを感じていない
- 実際に椎間板ヘルニアが腰痛の原因になる人は腰痛全体の2~3%である
原因
腰椎椎間板ヘルニアが起きる原因は、まだハッキリとわかっていません。
ですが
- 椎間板の加齢による変性によって飛び出すこと
- 猫背などの姿勢の悪さ
- スポーツによる外傷
等が影響しているのではないか?と言われております。
そして椎間板ヘルニアがあるから症状があるとも言えないのです。これは政府の調査結果でも明らかになっております。
椎間板ヘルニアといわれた症状の原因の内訳の報告では
- 椎間板ヘルニアによる強い圧迫・・・全体の1/3
- 仕事などの強い肉体的ストレス・・・全体の1/3
- 強い不安やうつ状態などの精神的ストレス・・・全体の1/3
という調査結果もあるのです。
つまりヘルニアによる直接の症状は、椎間板ヘルニアと言われた方の1/3でしかない、という事です。
発生のメカニズム
腰椎椎間板ヘルニアの多くは、こんな状況で発生します。
- 不良姿勢(前かがみ)での作業の継続
- 長時間の座位の継続
腰椎が後弯(丸くなる)することで、椎間板に過度の負担がかかり続けます。それが身体の限界を超えてしまうと、外へ飛び出してしまい発症するのです。
腰が丸くなっていると、上半身の重さにより椎間板の中心(髄核)は後方へ押し出されようとします。
この時にかかる負担が少なければ、椎間板の繊維輪や後方にある靭帯が椎間板を外へ出ないように抑えていられます。
ですが、押える力よりも飛び出そうとする力が大きくなってしまうと…、椎間板が繊維輪を突き破り、さらには靭帯も突き破ってしまうのです。その状態が椎間板ヘルニアになるのです。
症状
腰椎椎間板ヘルニアの程度や神経の圧迫している所(高さ)により、いろんな症状が出てきます。
主な症状は以下の症状になります。
- 痛みやだるさ
- しびれ
- 力が入りにくい
それぞれの症状についてみてみましょう。
1.痛みやだるさ
腰からお尻、足にかけて出ることが多いです。
症状の原因は神経の圧迫だけでなく、
- 椎間板ヘルニア周囲の炎症
- 関節への負担
- 周囲の組織のこわばり
によっても出る症状です。
2.しびれ
腰の骨の間から出る神経が椎間板に圧迫されると、腰~お尻や足にかけて症状が出てきます。知覚神経の障害により、しびれや痛みが起こります。
症状の原因は椎間板によるの圧迫だけでなく、
- 炎症による組織の腫れでの一時的な神経圧迫
- 神経への栄養血管の圧迫
- 筋肉や軟部組織のこわばり
によっても出る症状です。
3.力が入りにくい
腰椎の骨の間から出る運動神経が圧迫されて起こる症状です。
症状の原因は椎間板によるの圧迫だけでなく、
- 炎症による組織の腫れでの一時的な神経圧迫
- 神経への栄養血管の圧迫
によっても出る症状です。
圧迫される部位により力が入りにくい部位が異なります。
画像と症状の関係性
繊維輪や靭帯を突き破ると、そこには炎症が出ます。
炎症が出ると腫れて組織が膨張します。
腫れにより神経を圧迫してしまう状態が、一過性の腰椎椎間板ヘルニアになります。
だから腫れが引けば神経への圧迫は軽減するので、症状は改善するんですね。
「ヘルニアと診断され、しばらく薬を飲んでいたら改善した。」
という場合は、ヘルニアによる直接の痛みではなく炎症と腫れによる痛みなのです。
だから痛みが引いたからといってMRIを撮っても、椎間板ヘルニアが消失しているわけではありません。
逆に考えると、ヘルニアがあっても炎症さえなければ症状はない場合も多いです。
しかし飛び出たヘルニアが直接神経を圧迫する場合もあります。
この場合は症状が強く、治るまでに時間がかかってしまいます。
ところで、こんな場合もあるんですね。
「ヘルニアは左側にあるが、症状は右側にある。」
実は臨床上ではよくあることなんですね。
この場合はヘルニア以外の何らかの原因で、右側に症状が出てるんですね。
飛び出たヘルニアは、ずっと出たままになっているわけではありません。
時間とともに少しずつ小さくなり、吸収されていくものも多いです。
だから何なんか経って改めてMRIを撮ると、ヘルニアが消失していることも多いのです。
痛みと薬の関係性
薬は椎間板ヘルニアを改善しているわけではありません。
極論ですが、痛み麻痺させてを感じなくさせているのです。
本来、痛みを感じることでそこに無理を掛けないようにします。だから体を治そうとする働きが高まるんですね。
薬は痛みを和らげてくれます。そしてその状態で身体を休めれば、身体は改善に向かうのです。
でもそれを痛みが和らいたからといって、今まで通り身体に無理させるとどうでしょうか?
せっかく落ち着いた炎症が、また強くなってしまうんですね。そしてヘルニアの部分に、どんどん負担がかかり続けます。
そうすると当然痛みが出てくるんですね。しかもさらに椎間板には負担がかかった状態で!
当然痛みが強くなり、以前と同じようには薬も効かなくなってきます。そしてどうしようもなくなるから手術になってしまうんですね。
最後に
腰椎椎間板ヘルニアについて書いてみました。
多くの椎間板ヘルニアは手術しないで改善するんですね。ただそのためには、椎間板に負担がかかる今の生活習慣の改善が必要なんです。
そしてもう一つ、手術をしても生活習慣を変えないと、ヘルニアは再発します。それは椎間板に負担がかかる習慣が改善していないからなんですね。
これは臨床上では本当に良く見かけます。
厳しい言い方をすれば、椎間板ヘルニアになったのは誰のせいでもなく自己責任なんですね。
自分で身体の声を聴かなかったからなんです。でも自己責任であるから改善も自分の工夫で出来るのです。
どちらを選ぶかは自分で選択できるのです。
そして出来れば痛みに悩むことなく、生活できる方を選んでゆきたいですよね。
ちなみにこんな方法で、当院では対応しております。
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