パニック障害になったなら
2019年06月8日
パニック発作は人間の身体を守る反応です!
パニックは命の危機に陥るような強いストレスが体にかかった時、そのストレスから身体を守る為に起こる体の大事な反応の一つです。
もともと人間誰もが持っている大事な反応の一つなのです。
ですが、普段の何気ないときにもこの発作が出てしまうのがパニック障害です。
パニック障害はストレスに対する反応が過剰になっているんですね。
パニック発作で感じる恐怖とは
非常に強い不安や恐怖を感じるパニック発作を起こすと、
「このまま死んでしまうのではないか」
という強い恐怖に捉われてしまうことが多いです。
そして、ほとんどの方は発作に恐怖を感じます。
ですがパニック発作で亡くなることはないのです。
10分程度で強い症状は落ち着いていきます。
さらには発作前よりも身体はすっきりしていることも多いです。
それはなぜなのか?
それはパニック発作が
「処理できなくなったストレスを発散させるための身体の防御反応」
だからです。
感情やストレスをため込み過ぎたの反応なのです。
でもパニック発作自体に恐怖を持ってしまうと、悪循環に陥ってしまいます。
恐怖が身体をこわばらせるからです。
ですが安心して下さい。
パニック障害は適切に対処すれば改善するものなんですね。
そしてパニック障害に対する正しい知識があれば、より安心に改善出来ることでしょう。
パニック障害の特徴
この症状の特徴は
- 男性よりも女性に多い傾向がある
- 心や性格に原因があるわけではありません
- 約100人に1~2人がかかるといわれております。
になります。
パニック障害が適切に対処されずにいると、「うつ病」「うつ状態」などになってしまうこともあります。
だから早めの対処が大事なんですね。
症状
この症状は
- パニック発作
- 予期不安
- 広場恐怖
の3つが特徴になってきます。
そして、これらの症状は悪循環となってパニック障害をさらに悪化させます。
パニック障害が悪化すると、人前に出ることが苦痛に感じ閉じこもってしまうようになることもあります。さらに悪化するとうつ病になることもあります。
パニック発作
突然出てく身体症状と共に、強い不安や恐怖が伴ってくるのがパニック発作です。
- 身体症状は
- 動機
- 呼吸困難、窒息感
- 発汗
- 頻脈
- めまい
- 手足の震え
などです。
予期不安
パニック発作を何回か繰り返すうちに
「また発作が起きたらどうしよう」
という、強い恐怖感や不安感が生じてくるのが予期不安です。
発作が起きてないのに、「いつ出るか」「出たらどうしよう」と不安や恐怖を感じてしまうのですね。
広場恐怖
予期不安が出てきて
- 逃げ場のない場所で発作が起こるかもしれない
- 他人や大勢の人に見られたら恥ずかしい
といった不安や恐怖で、
- 大勢の人が集まる場所
- 過去に発作を起こした場所
を避けるようになるのが広場恐怖です。
パニック障害の原因は?
いろんな原因が挙げられてますが、いずれもストレスに関係する部分になります。
1.ホルモンバランス説
パニック障害の原因は脳内ホルモンの
ノルアドレナリンとセロトニンのバランスの乱れ
が関連しているといわれております。
ノルアドレナリンは恐怖や不安に関係するホルモンです。
セロトニンは幸福ホルモンです。興奮を抑える働きをする働きがあります。
この2つのホルモンのバランスが崩れることが、パニック障害の原因だといわれております。
セロトニンを増加させる施術によって、パニック障害の改善がみられることから推察されていますが、詳細はいまだわかっておりません。
2.脳内機能異常説
また最近の研究データでは、脳内の3つの場所の機能異常を指摘する声もあります。
<大脳>
思考や行動などの高度な精神活動にかかわる場所です。セロトニンの分泌異常で、回避行動を誘発するといわれています。
<大脳辺縁系>
大脳辺縁系は本能的な不安や興奮が生まれる場所です。セロトニン分泌の異常が起こるので、漠然とした強い不安が続くと言われています。
<青斑核・視床下部>
青斑核は脳内で警報装置のような役割をしています。危険があると信号を出しそれを視床下部が受け取って血管や信号、汗腺に反応を起こします。
パニック障害ではこの部位の機能が正常に働かず、危険でないにもかかわらずパニック発作を起こしてしまう信号を出してしまう可能性も指摘されています。
パニック障害になりやすい方の特徴
パニック発作を起こしやすい人は、普段から
「自分にとって嫌な感情は封印する(我慢する)」
というクセがある方が圧倒的に多いです。
我慢は交感神経を興奮させます。
そして身体は強い緊張状態に陥ります。
体力があってこの緊張状態に耐えられるうちはいいのです。
しかし耐えられなくなるとパニック障害が起こります。身体を守るために。
パニック発作はたまったストレスの発散なのです!
なので身体はすっきりする場合が多いです。
ですがパニック発作自体に怖さを覚えると、せっかくリラックスさせた交感神経を自分で緊張させてしまいます。
パニック発作でたまったストレスを発散させても、また自分で蓄積させてしまう。
この悪循環がパニック障害の本質ではないでしょうか?
どうすれば良いのか
自分で取り組むべきポイントはいくつもあります。取り組む前に何でそれが必要か理解できると、より改善に近づけます。
ただ自分での限界もあります。頑張り過ぎると悪化することもありますので、気を付けてください。
ストレス・交感神経・体力と症状の関係
ストレスやパニックに対する恐怖は、交感神経を緊張させます。
交感神経が緊張し続けると、体力が低下します。
体力が低下するとストレスに耐える力が少なくなるので発作が出やすくなります。
さらに発作に対して恐怖を抱いてしまいます
この悪循環を断ち切ることが症状改善への道になります。
悪循環を断ち切る
この悪循環に陥った関連性を断ち切ることができればパニック障害は改善できます。
そのためには
- パニック発作を理解すること
- 自分の感情を理解すること
- 自律神経のバランスを整え体力を上げること
が必要になります。
ただ症状がいきなり改善するわけではありませんので、気長に根気よく取り組むことがとても重要になってきます。
具体的には
具体的な方法は
- 正しい知識と自分の感情を知る
- 生活習慣の改善
- 周囲の理解
になります。
<正しい知識と自分の感情を知る>
正しい知識を知ることによっていたずらに恐怖にかられることが少なくなります。
そして自分の感情を理解できると、それだけで心が落ち着いてきます。
さらに感情に対する対処法を身につけることにより、パニックを起こしにくい身体になっていきます。
<生活習慣の改善>
生活習慣の改善とは、
- バランスの良い食生活への改善
- 適度に運動する習慣をつくる
- 睡眠時間の改善
になります。
すべては自律神経を整えるので、今の体力を上げることに有効です。
まずは”無理のない範囲で出来ることだけやってみる”ぐらいの気持ちでいいと思います。
<周囲の理解>
パニック障害に対する周囲の理解が重要です。
この症状をお持ちの方は周囲の理解が得られてない人がほとんどです。
例えば
- 気持ちの問題だから気持ちを強く持て
- 気合で乗り越えろ
等の言葉は、不安神経症の方にとっては励ましの言葉になりません。
このような言葉は当事者にとってはすごく残酷な言葉なのです。
そのように出来ないから困っているのです。
まずはそこを理解してあげることからですね。
あとは、特別扱いせずに普通に接してあげることも大事です。
まとめ
パニック障害は改善するものです。
そのためには正しい知識と適切な対応が必要なだけです。
それが出来れば普通に改善していくことでしょう。
ただ残念ながら一人では難しいと思います。
それは一人では恐怖に捉われてしまうと抜け出すのが困難だからです。
自分一人で悩まずに、信頼できる人や医療機関に頼ってみるのが良いでしょう。