慢性関節リウマチで考えること
2019年06月11日
いろんな関節に痛みが出たり、こわばって動かしにくくなったりして、日常生活に大きく影響する慢性関節リウマチ。悩んでいる方は全国で60~100万人いると推定されています。(平成26年度厚生省の調査結果)
慢性関節リウマチは自己免疫疾患の一つです。自分で自分の関節を破壊してしまう病態で、改善しにくい病気の一つです。
自己免疫疾患とは
免疫とは「対応・適応する力」と当院では考えております。
細菌やウィルスが入ればそれを除去しようとするのは、この免疫の作用なのです。
また、環境や生活習慣の変化に対応する場合も、この力が必要です。
そして自己免疫疾患とは
「本来身体の適応に働く免疫が、何らかの原因で正常な組織を攻撃してしまう状態」
というものなんですね。
慢性関節リウマチの原因
慢性関節リウマチとは
「何らかの原因で免疫が働き過ぎ、自分の関節を破壊してしまう状態」
という病気なんですね。
本来、働かない場所に免疫が作用してしまい、正常な組織を破壊してしまうのです。
原因は不明ですが
- 自律神経系の問題
- 身体の他のところで免疫が必要な状態
- 環境の問題
- 食べものの問題
- 精神的なストレス
などいろんな原因が考えられます。
自律神経系の問題
免疫には2種類のタイプがあります。それは
- 交感神経系
- 副交感神経系
です。
慢性関節リウマチの方は、自律神経で見ると交感神経過緊張タイプが圧倒的に多いです。
交感神経で働く免疫は、顆粒球が主に働くタイプの免疫です。
これが働くと活性酸素がたくさん発生します。
活性酸素が多く発生すると、健康な組織まで傷つけていきます。関節にたくさん活性酸素が発生すると、それにより関節破壊が起こります。
慢性関節リウマチは手に出ることが多いです。
何らかの原因で、手で自己免疫が働き過ぎていると思われます。
何故手に出ることが多いのか?(仮説)
慢性関節リウマチの特徴として
「症状が手に出ることが多い」
があります。
なぜ、手首や指になぜ出やすいのでしょうか?
普通に考えてるとやはり
「使う量が圧倒的に多い」
という事が考えられます。
もう一つ、それはストレスの反応は手に出やすい、という事です。
あくまで仮説ですが、リウマチで痛む場所と、腱鞘炎で痛みが起きやすい場所とは似通っています。
これは手の構造的な弱点が影響しているのです。
もともと手は繊細な動きは得意ですが、負担には弱い構造です。
負担が大きくなりすぎるとその場所は炎症が起きます。また炎症が収まっても、そこは硬くなるんです。
これが繰り返されると組織は変性を起こします。
変性を起こすとさらに負担に弱い状態になります。
変性して炎症を起こした組織を、慢性関節リウマチの場合は非自己と認識してしまうのかもしれません。
また、変性した組織に体内の毒素が沈着してしまうのかもしれません。これを非自己として排除しようとするのかもしれません。
ですから、これらを改善することが出来れば、免疫が過剰に働かなくて良くなると思います。
どうすればいいのか?
リウマチを改善させるには、交感神経系が過剰に働かなくていい状態を作る必要があるのです。つまり
- 交感神経から副交感神経への誘導
- 免疫が過剰に働かなくていい状況
の2つのことがある程度できれば、症状は改善していきます。
そのために必要なのが
- 血液循環の改善
- 身体の柔軟性をつける
- 考え方
なんですね。これらが少しずつ整ってくると、交感神経が過剰な状態ではなくなってくるんですね。
免疫が働く状況とは
- 体に害のあるものが入ってきたとき
- 害のあるものが身体でつくられた時
でこれらが無毒化されたり排泄されないといつまでも免疫が働き続けなければなりません。
ちなみに
- 感染や添加物、残留農薬、薬など体の外から入ってくるもの
- 疲労や使いすぎによる炎症、病気など体の中でつくられるもの
と当院では仮定しております。
つまり、
- 外から入ってくるものを防ぎ、身体が健康であること
- 体内の不要物を速やかに無毒化し排泄できる身体の獲得
が大事になってきます。
また炎症が強いときは、まず炎症を落ち着かせる事が大事になります。
まとめ
慢性関節リウマチは国から難病指定されている疾患です。だから完全に良くするのは困難です。
でも症状を和らげることはできるのです。それはすべて関節リウマチで症状が出ているわけではないからです。
そのためには血液循環をよくすること、身体のこわばりを緩めること、考え方を見直す、など出来ることはたくさんあるのです。
一人で悩まず、お気軽にご相談くださいね。