ストレスと脳の機能~延髄について~
2019年10月26日
前回は西洋医学的に見たストレスの身体への影響を見てきました。
ストレスには「扁桃体」が反応し、その情報が脳幹へ伝達され
身体を防御するために自律神経が働く。
このときにストレスに対応するためのストレスホルモンが分泌されるのです。
それには
- 頑張るときのホルモン:アドレナリン
- 耐え忍ぶときのホルモン:コルチゾール
の2系統がある。
両者とも体に影響が出るのです。
前者は主に身体への影響が強く、
- 血圧の上昇
- 血管の収縮
- 胃腸の働きの低下
- 不眠傾向
- 動悸
などの症状が出やすくなる。
そして後者は精神的な影響も強くでやすい。
特にコルチゾールが長く分泌され続けることが問題となり
- 扁桃体の肥厚
- 海馬の委縮
- 血糖値の上昇
- 細胞を老化させていく
を引き起こしてしまう。
そうするとストレスに過敏になり、
学習障害やうつ症状を引き起こしやすくするのです。
というところまで書いてきました。今回はその続きから。
今日はここからです
脳の働きをもうちょっと見ていきますね。
偏桃体の働きがカギになります。
身体へ入ってきた情報のなかのストレスを感じ取るセンサーでもあり、それに対応するための信号をだすスイッチでもあるのです。
このスイッチがずっと入ってると、身体はどんどん弱っていきます。
何故こんなことが起きるのでしょうか?
なぜストレス状態が続くと身体は弱るのか?
ストレスが続く状態とは、例えばこんな状態だと思ってください。
ずっと戦ったり逃げてたりし続けている状態です。
これだ身体はどうなると思いますか?
どんな人でも疲れてしまいますよね?
ずっとそのままでは身体は疲れるし、
しまいには壊れてしまうこともある。
ストレス性の病気のほとんどはココから始まるのです。
身体にとって必要な働きではあるが、過剰になれば危険でもあるんですね。
だから脳にはブレーキとして働く部分もあるのです。
それが働くことによって人間はバランスを保っているのです。
ストレス過剰のブレーキをかける延髄
その働きをする場所の一つとして
「延髄」
という部分があります。
脳の一番下にある部分です。
恐怖や不安を感じる偏桃体の情報を自律神経に伝える役割と同時に、
自律神経の制御にも深くかかわっていきます。
だからここで情報をコントロールできれば、ストレスはコントロールしやすくなるんですね。
どうすればいいのか?~運動の効果~
一般的には運動が効果的になります。
運動をすることで延髄の神経細胞に変化が出るのです。
ストレス過剰な状態では神経細胞も過敏になっています。
その時には神経細胞にこんな変化が出るんですね。
神経細胞の突起の数が多くなる。
細胞の突起が多いと、それだけ情報を伝えやすくなるんです。
だから過敏になってしまうんですね。
でも大丈夫!
運動をすることで神経細胞の突起の数が減少するのです。
そうなると扁桃体からの情報をコントロールできるので、
過敏に自律神経に伝えなくなっていきます。
当然、自律神経の症状も減っていきます。
また適度に運動をすることで、
脳の海馬(短期記憶の中枢)の容積が大きくなる
ことも報告されております。
これは記憶力やうつ状態の改善にも有効なんですね。
このように運動することはストレス緩和にはとても有効なのです。
ではどのような運動が有効なのは?
今回も長くなったので、続きは次回に書きますね。